第48回石岡消化器疾患懇話会が来週開催され当院より2演題発表致します。
日時:平成29年4月14日(金)19:00〜
場所:マリアージュ吉野
当院からの演題
微小膵癌の手術例
腹腔動脈血栓症の治験例
膵臓癌は予後(回復の見通し)が最も悪い癌として、最近その5年生存率の低さなどがマスコミより報道された。そもそも診断、治療が困難で評判の悪い癌として一般人でも恐れられているので、その報道にはインパクトがあった。実際、下表1の如く、公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計‘15」全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2004〜2007年診断例)引用の成績でも、いわゆる5年間生存率は全体で8%、全ての癌の中でもっとも低く、予後が悪い。たとえStage?であっても36.0%と惨憺たる状況である。つまり、早期発見も難しいが、その治療も困難だということである。手術対象例(手術が可能な患者)は、20〜30%しかなく、たとえ切除手術がなされたとしても5年生存率は20%程度しかなく、他の癌と一括りせず、最も難病疾患として対応すべき疾患でと思われる。
当院でも本年に入って8例の膵癌を診療したが、切除し得たのは4例であった。4例中1例に、大きさ8?の微小膵癌(10?以下)の手術を経験した。78歳、女性で偶然に腹部エコーにて発見され、浸潤癌膵管としては極めて稀であり、手術成績が期待される。
今回の石岡消化器疾患懇話会で詳細について報告する。
また、ブログでも追って本症例の詳細やその他、早期発見法などについて説明したい。
膵臓癌の5年生存率
ステージとは、「がんの進行度合」という意味です。
5年実測生存率とは、「がんの治療を始めた人の中で5年後に生存している人の割合」という意味で、いわゆる、よく使われる5年生存率です。
5年相対生存率とは、「がんの人とがんではない性別と年齢が同じ人の5年後の生存率を比べた割合」という意味です。