昨日ご案内しました第235回 茨城外科学会の演題・抄録が決まりました。
2014年6月28日(土)13:00〜 つくば国際会議場
演者:幕内
演題名:治療に難渋した巨大confluence stoneの一例
抄録:
症例は79歳♂、H25.10/7閉塞性黄疸、プレショックにて来院、諸検査にて約44×27mmの巨大な三管合流部結石と診断、ERBD挿入、ptの希望にて外来follow、全身状態が改善しH26.4/9に手術(総胆管切開、T-tubeドレナージ、胆嚢後壁によるpatch graft)に至った。
Confluence stoneは、比較的稀で、胆嚢頚部に嵌頓した結石が、総胆管を圧排し、胆嚢胆管瘻を形成したもので、Mirizzi症候群の亜型と考えられ、治療に難渋する。
EST+EPLBDなどの内視鏡的治療、また最近では結石の存在形態よりA、B型に分類し、鏡視下手術を行う施設もあるが、胆道癌の合併や術後重大な合併症が惹起される可能性があり、慎重を要する。
今回、我々は、手術による摘出に加えてEST及びT-tubeからの胆道鏡によるアプローチにて、巨大結石を含む総胆管結石を全て摘出することに成功した症例を経験したので報告する。
演者:上道
演題名:巨大腹部腫瘤で発見された小腸原発悪性リンパ腫の1切除例
抄録:
症例は68歳男性。右下腹部を中心とする腹部膨隆の為、他院より紹介となった。CTで回腸末端付近より口側に向かって径10?程度の巨大腫瘤形成を認め、画像上、何らかの悪性疾患が疑われた。手術を前提に外来で精査を行っていたところ、初診日より約3週間後39度の発熱、腹痛が出現し、腫瘍が極めて急速に増大した為、緊急入院となった。血液検査所見ではIL-2Rが1252U/mlと上昇を認めた。小腸原発悪性リンパ腫を疑い、準緊急で腫瘍を含めた回盲部切除を行った。術中所見及び病理組織検査の結果、小腸原発のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と診断された。術後経過は良好で、退院後はR-CHOP療法を6コース行った。現在、明らかな再発ないが同疾患は再発率が高く、厳重な経過観察が必要と考えられた。今回、doubling timeが急速であった小腸原発DLBCLの手術症例を経験した。若干の文献的考察を加え報告する。