6/24(金)開催予定の第13回茨城消化器外科治療研究会へ演題を応募致しました。その抄録になります。
演題 巨大食道裂孔ヘルニアに対する新しいHiatal Meshの使用経験
演者 幕内幹男
我々は、最近12年間で138例の食道・胃逆流症に対して鏡視下噴門形成術を施行してきた。術後の合併症においては、皮下気腫4、気胸4、脾被膜出血2、胃チューブの縫着1例が診られたが、開腹移行例は0であった。
術後成績は、症状改善度をスケール・スコアで評価すると、術前平均21.7に対して、術後3ヶ月以内で3.8、3ヶ月以降で0.9と極めて改善が得られた。しかし、術後6ヶ月を経過した7例にPPIの再投与を行っている。内訳は、4例が一時的な逆流症状の再燃による症状出現時のみの投与、3例が継続投与であったが、その内1例の滑脱の再発よる症状の再燃に対して再手術を行った。
症状再発の原因はwrapの緩みとherniaの再発にある為、?裂孔の充分な縫縮?wrap胃とhiatusの縫着(shoulder stitch)?下縦隔に至るまでの食道の充分な剥離によって、最近の症例では徐々に克服されつつある。しかし、・巨大なhernia・右脚の脆弱・高齢者・短食道症例は、滑脱のrisk factorと思われる。
この度up side down typeの巨大herniaに対してhiatal mesh専用のコヴィディエン社製パリッテックスコンポジットを本邦で初めて使用したので、その使用手技を中心にビデオで供覧し、今後の再発防止に繋がるものかどうかについて考案したい。
発表当日につきましては、後日御報告致します。