7/3(土)第224回茨城外科学会が日立総合病院にて開催されます。
当院より2演題応募致しました[:ひらめき:]
演題名: 脾嚢胞に対する鏡視下脾摘除術の一治験例
演者: 藤原 康朗
抄録
脾嚢胞は、他の腹腔内臓器嚢胞に比して比較的稀である。細胞配列により真性と仮性に、更に真性は上皮性(類皮、類上皮嚢胞)と内皮性(リンパ管、血管腫、漿液性嚢胞)に分類される。基本的には良性であるが、4例に嚢胞壁より発生する悪性腫瘍合併例も報告されている。
今回我々は、大きさ73mmの脾嚢胞に対して、鏡視下に脾摘除術を行ったので、手術適応等に加え鏡視下手術の有用性などについても併せて検討して報告する。
症例は29歳女性、H21年7月の胃検診にて胃の圧拝を指摘。CTにて約62mmの脾嚢胞と診断したが、症状がなく経過観察とした。しかしH22年1月のCTにて73mmに増大し、胃部不快感が出現、また、文献的検討より破綻や感染及び悪性のriskより相対的手術適応と判断し、患者と相談の上、鏡視下手術を施行した。脾臓はエンドキャッチに入れ腹腔内にて粉砕し12mmポート部より摘出、術中出血、術後合併症はなかった。摘出病理は、類上皮嚢胞で悪性(−)、上皮の免染にてCA19−9(+)であった。
演題名: 巨大直腸GISTの一治験例
演者: 上道 治
抄録
GISTに対する手術適応は、GISTガイドラインによって51mm以上とされるが、リンパ節郭清の有用性については言及されていない。従って、直腸肛門移行部の病変では肛門機能温存術も考慮される必要がある。しかし、文献的に特に直腸病変には、リンパ節転移陽性症例が報告されており、巨大GISTに対する術式の選択には苦慮するところである。
今回我々は、最大径74mmのGISTに対して切除を行ったので、文献的考察を含め報告する。
症例は66歳男性、H21.11月便の扁平化にて当院受診。直腸診にて肛門管から直腸にかけて腫瘤を触知し、CTにて径55mmの分葉状の骨盤内腫瘤を認め、直腸GISTなどを強く疑い、切除を勧めるも拒否。その後、3月のCTにて65mmと増大、EUSでは粘膜下層より壁外に発育した内部不均一なSMTで直腸壁の1/2周以上を占めた。イマニチブのneoadjuvant後の肛門温存術の報告も診られるが、患者の性格や腫瘍径より、H22.4月1日腹会陰式直腸切断術を施行した。切除病理はC−Kit(+)CD34(+)S100(−)αSMA(−)K-67 10%以下にて中リスクのGISTと診断された。