7月10日(金)に水戸で開催されます、茨城手術手技研究会の抄録です[:グッド:]
演題
「鏡視下アカラシアのpit fall」
演者
幕内 幹男
抄録
食道アカラシアに対する鏡視下手術はcommon standardとなりつつある。
しかし、より安全な手術手技を習得するためには、噴門機能とその解剖学的理解が重要であり、pit fallを念頭において手術に向かうべきと思われる。
我々は、9例の食道アカラシアに対して鏡視下Heller-Dor手術を行ってきた。対象は16〜56歳、平均34.7歳、男性2女性7例。手術後成績は全例に症状の改善が診られ、最長8年の経過観察であるが、再発は認められていない。粘膜損傷が2例に診られたが、術中修復により術後合併症には至らず、また開腹移行は1例もなく術後入院期間は平均7.6日であった。筋層切開のポイントは、充分な食道遊離と慎重な操作にあるが、悩病期間やバルーンなどの手術前治療歴等が粘膜損傷に影響を及ぼすと考えられた。また、ブジーの挿入時期や損傷部位を確実に発見し縫合することが重要である。一方、Dor-wapping においては適切な幅のwapが重要と考えられる。それらの点を中心に、手術手技について検討してビデオで供覧する。