幕内会・地域福祉会 全体研修会

4/23(日)幕内会・地域福祉会による全体研修会が行われました。
テーマ『組織の中での個々の役割と責任〜私は何をすべきか〜』
各部署、発表には慣れてかなり手際よく遂行しました。その点では人前では話すことについても皆さん慣れて、成果が出たように思います。厳しいことを言うと、内容がやや乏しいかと・・・色々と質疑応答があり、現場に生かせることが出来るでしょう。期待しております。

また、特別講演の一ノ瀬正樹先生からは、安楽死と「死ぬ権利」について講演を頂くことが出来ました。非常に難しいテーマでしたが、哲学的観念から、つまり事の本質について優しく、分かり易い講演をしてくれました。積極的安楽死killing(殺すこと)と消極的安楽死letting die(死なせること)との区別や所有権としての立場からの側面、安楽死=生命の譲渡の問題など多数の問題点についても話して頂きました。
私自身は、日々診療において死にゆく場面を担当しており、私でいいのか?との疑問について「死に行く者を迎えるのは誰も素人、死ぬことを経験した人はいないのだから」という先生の見解は目から鱗で少しつかえがとれました。

別件ですが、44年ぶりの同級生との再会はとても嬉しかったです。なんせ15歳の少年?青年?以来で当然だけど、本年還暦になるわけで、考え深いものがあしました。











第48回石岡消化器疾患懇話会 ご報告

昨日は、第48回石岡消化器疾患懇話会にて私の方は、微小膵癌をテーマに発表させて頂きました。非常に大きな問題で早期発見・治療などについて質疑応答があり大変盛況でした。
また、上道先生の『腹腔動脈血栓症の治験例』は、原因不明で今後のfollowの中で究明すべき点があると思われました。しかし、abdominal angina(お腹の血管が詰まるお腹の狭心症)が増加しており、その点について詳細な発表が大変参考になったものと思います。

父 春義に遺伝子を感じた瞬間

昨日、私の亡父・春義でネット検索をしたところ、1958年に掲載された2つの論文が見つかりました。
・食道裂孔ヘルニア(傍食道型)の1例
(医療第12巻第8号655〜660 1958年8月)
・胃液ニンヒドリン反應による胃癌の診斷について
(医療第12巻第7号573〜576 1958年7月)
実に私が生まれた翌年の論文です。食道裂孔ヘルニア(傍食道型)の1例については、私のライフワークである「GERD(胃食道逆流症)、食道裂孔ヘルニアの病態と治療」に通じるものがあり、何かの因縁?を感じざるを得ず大変びっくりしました。生前にこのような論文の話は全く聴いておらず、もし今生きていたらディスカッションでもするのか?何ともいいようのない気分です。
胃液ニンヒドリン反應による胃癌の診斷についても、当時伯父・川俣建二も含め、早期胃癌の診断にやっきになっていたことが推測され、これも感慨深いものです。
とりあえず、2論文をブログに掲載します。
約60年前のものですが・・・・色々な意味で現在とあまり変わってなく、父親ながらとてもよい論文と思いました。










第48回石岡消化器疾患懇話会

第48回石岡消化器疾患懇話会が来週開催され当院より2演題発表致します。

日時:平成29年4月14日(金)19:00〜
場所:マリアージュ吉野

当院からの演題
微小膵癌の手術例
腹腔動脈血栓症の治験例

膵臓癌は予後(回復の見通し)が最も悪い癌として、最近その5年生存率の低さなどがマスコミより報道された。そもそも診断、治療が困難で評判の悪い癌として一般人でも恐れられているので、その報道にはインパクトがあった。実際、下表1の如く、公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計‘15」全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2004〜2007年診断例)引用の成績でも、いわゆる5年間生存率は全体で8%、全ての癌の中でもっとも低く、予後が悪い。たとえStage?であっても36.0%と惨憺たる状況である。つまり、早期発見も難しいが、その治療も困難だということである。手術対象例(手術が可能な患者)は、20〜30%しかなく、たとえ切除手術がなされたとしても5年生存率は20%程度しかなく、他の癌と一括りせず、最も難病疾患として対応すべき疾患でと思われる。
当院でも本年に入って8例の膵癌を診療したが、切除し得たのは4例であった。4例中1例に、大きさ8?の微小膵癌(10?以下)の手術を経験した。78歳、女性で偶然に腹部エコーにて発見され、浸潤癌膵管としては極めて稀であり、手術成績が期待される。
今回の石岡消化器疾患懇話会で詳細について報告する。
また、ブログでも追って本症例の詳細やその他、早期発見法などについて説明したい。

膵臓癌の5年生存率

ステージとは、「がんの進行度合」という意味です。
5年実測生存率とは、「がんの治療を始めた人の中で5年後に生存している人の割合」という意味で、いわゆる、よく使われる5年生存率です。
5年相対生存率とは、「がんの人とがんではない性別と年齢が同じ人の5年後の生存率を比べた割合」という意味です。

表1

スタッフ全体研修会 特別講演

ースタッフ全体研修会 特別講演ー

講演タイトル: 「安楽死と死ぬ権利」
    
東京大学大学院人文社会系研究科教授 一ノ瀬 正樹 先生



院長とは高校(土浦一高)の同級
高校の時から将来は東大で哲学を学ぶと夢を語っていた。

1981年3月 東京大学文学部第一類哲学専修課程卒業
1995年4月 東京大学大学院人文社会系研究科助教授
2002年7月 英国オックスフォード大学客員研究員
2007年1月 東京大学大学院人文社会系研究科教授 現職

医療は、人の命を助けることが最大の任務であろう。しかし、必ずしもその目的を達することができない場合も多々あり、死と向い合い、どのように対応するかも医療人が担っているのが現状である。
末期癌や重症脳梗塞、最近では認知症の進行した状態に対する対応は、非常に難しい。しかし、無駄な延命治療か否かを判断することは、更に困難であり、我々医療人を含めタブーとされた安楽死や死ぬ権利についても一人一人が考える時代と変化していくのだろうか・・・。
生死観などの問題をテーマとしている一ノ瀬先生の講演が、何がヒントとなることを期待している。
                    全体研修会主催 幕内 幹男

一般の方で聞きたい方は、スタッフ(受付)に申し出て下さい。
但し、人数に制限が御座いますのでご容赦下さい。
無断での来場はお断りいたします。

日時:平成29年4月23日(日)11:00〜
場所:うきうきマイスター