平成26年10月26日(日)9時から茨城県メディカルセンターで開催される「第236回 茨城外科学会」において、当院から上道治医師が発表いたします。その内容について、以下に詳細を掲載いたします。
演題名: 胸腔鏡補助下にて核出し得た食道粘膜下腫瘍の一治験例
演者: 上道 治
共同演者: 幕内 幹男、笹屋 昌示、室伏 雅之
抄録:
症例は、34歳男性。健診食道胃透視してGERDを指摘され、また嚥下時の食物通過感を訴え来院。H26年6/4GFを行ったところ、門歯より25cmから白色調を呈し、縦径65mmで、約1/2周を占める内腔突出型の二峰性のSMTを認めた。EUSでは低エコーで内部均一、CTでは食道壁に螺旋状に巻きつくように存在することより、平滑筋腫を強く疑ったが、大きさ形状より悪性も否定できず、食道切除も念頭に6/29に鏡視下手術を試みた。その結果、粘膜損傷なく腫瘍を核出することができ、病理所見は平滑筋腫であった。
巨大食道粘膜下腫瘍は、平滑筋腫、GIST、脂肪腫、顆粒細胞腫などがあるが、5cmを超えるものは稀で悪性の可能性も念頭におく必要があり、その切除方法には慎重を期する必要がある。本症例は平滑筋腫の特徴を呈し、術中に筋腫への浸潤が診られなかったことから鏡視下補助下核出術を施行し得たので文献的考察も含め報告する。