3/28(土)9:00より茨城県医師会会議室で
第220回 茨城外科学会が行われます。
当院より1演題発表予定です。
演題名: 鏡視下手術が有効であった精神障害合併食道アカラシア症の一例
所属: 山王台病院
口演者: 笹屋昌示
共同演者:幕内幹男、上道治、佐々木健、室伏雅之、新田正光
中村明浩、金森直明、高橋愛樹
抄録
近年、食道アカラシアは鏡視下手術の進歩に伴って手術療法がFirst choiceとなりつつある。しかし、精神障害にて自覚症状を訴えることができない症例の手術適応については躊躇され、また、精神障害によって診断に難渋する。
症例は、37歳女性。幼小児より精神発育遅滞、てんかん、統合失調症にて入退院を繰り返していた。約一年前から出現した食後の胸痛にてH19、9月近医受診。内視鏡にて異常は認められず経過観察となる。11月始め頃より食事摂取が困難、嘔吐が出現、体重減少も目立ようになった。H20、4月てんかん発作にて精神科入院、胸部CTにて食道の拡張を認め、造影にて食道アカラシアを強く疑い当院紹介となる。
精査の結果、S状型、grade?のアカラシアと診断。嚥下性肺炎の合併もありPSも低くかったが、繰り返すバルーン拡張術は困難で、gradeより効果に乏しいと判断し鏡視下Heller –Dorを施行した。
術直後は、著明な改善は得られなかったものの、徐々に経口摂取も可能となり、体重も増加した。
今回、精神障害の合併した食道アカラシアに対して鏡視下手術が有用であった症例を経験したので検討して報告する。