2023年新年のご挨拶

新年を迎え皆様方におかれましては健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。

昨年は、コロナ禍の3年目を迎えさらに病院再編等、難しい問題があり当方としましても大変印象深い年となりました。

石岡市は土浦医療圏にあるため、病床不足地域であるにもかかわらず、土浦市の病床過剰によって病床を確保することが難しいという問題を抱えております。そのため昨年は、石岡市医師会病院の閉院に伴って山王台メディカルタウングループとして新しく石岡共立病院を開設し、この地域にとって大切な120床の病床を受け継ぎました。それによって石岡周辺地域の入院を必要とする患者様のニーズに何とか応えるべく努力してまいりました。しかしながら、立地条件や病院の老朽化に伴ってその運営は厳しいものとなっております。従って石岡共立病院を山王台病院と統合編入し172床の山王台病院として人材や医療機器などの資源を有効利用し、十分で効率の良い医療体制を築き上げる計画でございます。

今春2月には石岡共立病院の38床を山王台病院と統合し、山王台病院として90床の急性期病床となります。救急対応にすこし余裕ができるのではないかと思っております。その後、老健施設あいあい の移築に早々に着手し、現在のあいあい を病院化し、残りの病床を山王台病院に統合することになります。しかし最終目標までには大井川知事そして石岡市行政のご指導のもと2年程度の時間を要するものと思われますが、総力を挙げて努力してまいります。

本年度早々の朗報としましては、日本の循環器内科の第一人者である坂田芳人先生の4月からの常勤化は、まず大いに期待するところであります。5大疾患の中で最も緊急を要する心臓血管疾患に対する治療、特にインターベンション(血管内治療)の優れた技術によりこの地域の皆様の命を救う事に大きく寄与するものと思います。加えて1月からは、整形外科の坂本博史先生が常勤として新らたに私共のメンバーに加わって頂く事となりました。救急の外傷性骨折を始め変形性股関節・膝関節・脊椎の保存的(手術をしない治療)や手術治療が特に専門で47歳と円熟した技術により、多くの患者様に貢献できるものと期待しております。

また当法人は、脳神経内科、呼吸器科、循環器科、消化器内科・外科、腎臓内科(透析センター併設)、泌尿器科、耳鼻咽喉科、口腔外科、皮膚科、小児科、心臓血管外科、眼科等総合的診療科を備えており、特に消化器疾患に於いては、診断、治療面では大学病院を超える専門性を維持しており、虎の門病院、昭和大学病院と密に連携をとりながら高度医療に更に取り組んでいます。また眼科疾患に於いては、多くの硝子体手術に取り組んでおり、更に技術の向上に努めて参ります。

旧年中は大変お世話になりました。今年もどうご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

                       幕内 幹男

第251回茨城外科学会 第65回石岡消化器疾患懇話会

10/6(日)第251回茨城外科学会、12/2(金)第65回石岡消化器疾患懇話会が開催されました。新型コロナ感染状況が少し落ち着いていて、いずれもハイブリットでしたが発表は会場で行いました。当院からも 若手の先生が 1演題「EUS power dopplerが診断に有用であったIPMCの1治験例」発表を行いました。 WEBと違って 会場で先生方と対面での発表は、活気があっていいですね。下記は茨城外科学会の発表スライドです。

令和4年新年のご挨拶 2/1石岡共立病院開設のご挨拶

明けましておめでとうございます。昨年は新型コロナのパンデミック、コロナワクチン接種の実施などいろいろな事があり、改めて地域医療の重要性を考えさせられた1年でした。

本年は、当法人にとって大きなイベントがあります。旧石岡市医師会病院の後、 2月1日に 医療法人幕内会山王台病院附属 石岡共立病院を開院する運びとなりました。開院にあたっての思いを以下に綴りましたのでご一読いただけましたら幸いです。

―石岡共立病院設立にあったってのご挨拶-
令和4年2月1日開院予定

土浦医療圏である石岡市は、土浦市の病床がほとんどで、石岡市は相対的に病床が不足しているのが現状です。そのうち120床を担っていた旧石岡市医師会病院が運営継続困難となり、貴重な病床が失われてしまう危機にありました。何とかこの120床を残すべく、「地域医療に係る対策を検討する専門委員会」が令和元年7月立ち上がりました。この専門委員会で令和元年11月に最終案として、石岡市医師会病院と石岡第一病院の統合と、それに伴う幕内会への40床配分の統合再編計画の方向性が決まりましたが、令和2年の3月に開催された石岡市議会定例会議にて予算が否決され、続く令和3年2月に統合計画から地域医療振興協会が辞退の申し出を受けて、石岡市はこの統合計画の中止を発表しました。
 こうした経緯をうけ、このままでは本当に石岡地域から120床がなくなってしまうという強い危機感から、当法人として何とか病床を残せないものか石岡市医師会と協議を重ね、石岡市医師総会の承認を経て、8月12日当法人への譲渡契約が成立しました。
 今までの石岡市医師会病院の運営から見ても、大変難渋な道であると覚悟はしておりましたが、当法人としても先人の抱えていた諸問題、地域性、老朽化した施設設備に加え、厨房設備もない状況を目の当たりにして、当初途方にくれる思いがしました。
しかし何とか休床期間を短くするため出来るだけ早い段階での新規開院ができるよう準備に奔走しました。
当法人の医療資源の活用はもちろんのこと、新たなる医師、看護師等の人材確保、高度医療機器の導入を行ってまいりました。老朽化した建物や設備をボランティアの方々に助けられ、我々スタッフ全員で清掃、補修を致しました。このような過程を通じて新病院を共に愛しみ、是非成功させたいという気持ちが強く芽生えて来ました。
診断機器につきましては、16列マルチスライスCT、高性能マンモグラフィー、X線透視装置、腹部超音波、乳腺超音波、心臓超音波、骨密度測定器、高性能細径胃・大腸内視鏡検査機器を新規採用致しました。
また人間ドック、健診センターは、旧石岡市医師会病院同様の体制で行うこととなりました。
まだまだ診療体制を含め諸準備不充分ではございますが、令和4年2月1日をもって開院に至ります事をご報告致します。
今後は、石岡の地域の診療に微力ながら貢献出来ますよう努力してまいる所存でございます。
何卒、宜しくお願い申し上げます。

末筆ながらこの事業は、依然として先人たちが抱えていた、地域性、建物の老朽化等については大きな課題を残したままの非常に厳しい状況にあります。かといって、この病院が保有する120床を、万が一失う状況になったとしても、これまでの経過の通り石岡市を含めて行政が運営の受け皿となることは無いと言っても過言ではありません。こうした厳しい状況の中、皆様のご期待には応えたいのですが、それに沿う事ができるかどうか難しいのが現状です。舵取りを迫られる局面に立たされた場合、運営の効率、人材・医療・資源の統一面を鑑み、病床数を残していくため、山王台病院と統合することを考えております。ただ外来は、このまま継続できるよう努力目標としていきたいと考えておりますので、どうかこうした事情をご理解頂ければ幸いです。

医療法人幕内会 理事長  幕内 幹男